THE BEATLES 愛してます③/ビートルズ・ディスコグラフィー

「Abbey Road」

ビートルズ11作目のアルバムは、

「アビイ・ロード」

1969年に、「レット・イット・ビー」の前に発表されましたが、

実際に録音されたのはこのアルバムが後で、

実質のラストアルバムです。

EMIレコーディングスタジオはこのアルバムの大ヒットで、

アビイ・ロードスタジオと名称変更しました。

解散の危機の中、

奇跡的に終結してレコーディングされた名盤です。

ビートルズの最後の輝き

ファンの宝物ですね。

横断歩道を4人で歩くジャケット写真は、

あまりにも有名です。

「カム・トゥゲザー」 

ジョン自身が最も好きな曲と語った、

低音で「shoot me」と続く渋くてかっこいいナンバー。

途中のギターは公式曲でもっとも高音を出していたり、

印象的な一曲です。

「サムシング」

ジョージの作った人気の高い曲で、

「イエスタディ」に次いで

カヴァーが多いと言われています。

オーケストラの指揮もジョージがとっています。

「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」 

シンセサイザーや、トンカチなども使った、

ポールのおもしろい曲。

曲はかわいいのに歌詞はちょっとエグイので、

そのギャップに驚きます。

「オー!ダーリン」 

ポールの超かっこいいラブソング。

かなりシャウトしています。

ジョンも歌いたがったらしいです。

結婚式とか、真似して歌いたい曲ですが、

このシャウトはポールならではですね。

「オクトパスズ・ガーデン」

リンゴのおちゃめな曲。

ジョンがコップの水をぶくぶくとストローで吹いて、

海のような音を出しています。

「アイ・ウォント・ユー」 

ジョンの曲。

歌詞はほぼ、「アイ・ウォント・ユー」。

歌詞のあるものでは、公式曲で最も長い曲です。

エンディングがものすごく長いのですが、

ジョンが「そこで切れ!」と指示を出し

途中でプツッと切られています。

頭の中に余韻が残ります。

「ヒア・カムズ・ザ・サン」 

ジョージが、友人のエリック・クラプトンの家の庭で

インスピレーションを得て作った曲。

朝陽がキラキラしているかのよう。

「ビコーズ」

メンバーのコーラスが重厚なジョンの曲。

ポール、ジョージも好きな曲と語っています。

ベートーベンの「月光」をイメージしています。

「ユー・ネヴァー・ギブ・ミー・ユア・マネー」

ポールの曲。

後でもう一回出てきます。

滑らかなポールの高音が優しく響きます。

おしまいに、ポールの自宅で録った

コオロギの鳴き声やカウベルの音で、

後半のメドレーに入っていきます。

ファンならご存知のとおり、

ここからはメドレーで曲が続いていくんです。

ポールのアイディアです。

当時斬新な、ほんとにおもしろい構成です。

「サン・キング」 

ジョンの曲。

スローなバラードでスペイン語も出てきます。

「ミーン・ミスター・マスタード」 

続いてジョンのインドで作った曲。

「ポリシーン・パン」 

さらに続けて、ジョンの実質公式発表最後の曲。

わざとリヴァプールなまりで歌っています。

「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー」

ここからおしまいまで、ポールの曲。

「ポリシーン・パン」から、

レコーディングでも続けて録音しています。

ポールが空き巣に入られて作ったという、

おもしろいエピソードの曲。

「ゴールデン・スランバーズ」 

一呼吸おいて、この曲に入ります。

もう壮大な、涙を誘うポールのラブソングです。

ここから終わりまで、一気に続いていきます。

ファンにはさびしさも感じるあたりです。

「キャリー・ザット・ウェイト」 

4人で、ユニゾンコーラスしてて感動です。

「ユー・ネヴァー・ギブ・ミー・ユア・マネー」が再び登場して、

アルバムの統一感を出しています。

「ジ・エンド」 

実質、ビートルズ最後の曲。

短い中に、リンゴのドラムソロ、

ポール→ジョージ→ジョンのギターソロリレーがあり、

最後に、

「結局あなたが得る愛は、あなたが与える愛に等しい」

という歌詞でくくられます。

アンコールナンバーとして、ポールがアコギで歌う

「ハー・マジェスティー」で粋に終わります。

ああ、終わっちゃったなぁ・・・という思いと

感動が入り混じります。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

「Let It Be」

ビートルズ12作目の最後のアルバム

「レット・イット・ビー」

同名の映画のサントラです。

一応完成したときは「ゲット・バック」というタイトルで、

このレコーディングセッションは

「ゲット・バック・セッション」と呼ばれています。

メンバーの関係は冷め切っており

「ゲット・バック」の完全な完成を断念したのですが、

プロデューサーのフィル・スペクターにより

「レット・イット・ビー」として完成させました。

その後に製作された「アビイ・ロード」の方が、

先にリリースされたのです。

ジャケットもメンバーがバラバラに写っていて、

寂しさを感じてしまいます。

「トゥ・オブ・アス」 

ポールの曲。

ジョンとポールはアコギで、

ジョージがエレキギターでベースラインを演奏しています。

妻リンダとの、気ままなドライブを表現したという曲。

「ディグ・ア・ポニー」 

ジョンのブルース調の曲。

イントロが印象的。

歌詞は韻をふんでいます。

「アクロス・ザ・ユニバース」

ジョンのかわいらしいナンバー。

ジョン自身は歌詞が気に入っていると語っています。

私はテレビでアニメーションといっしょに流れていたのを、

なんとなく記憶しています。

鳥の羽ばたきがイントロに入っているヴァージョンや、

オアシスもカヴァーしています。

「アイ・ミー・マイン」 

ジョージの曲。

ゲットバックセッションの後

追加録音されたもので、哀愁漂う一曲。

「ディグ・イット」 

4人名義の初の歌詞入り公式の発表曲。

「レット・イット・ビー」 

多くを語らずとも知られた、

ポールの有名な代表曲。

ポールは幼い時に母親を亡くしていますが、

その母の声が聞こえたような気がして作られた曲です。

「あるがままを、あるがままに受け入れるのです」。

「マギー・メイ」

元々はリヴァプールに伝わる歌を、

4人でアレンジしています。

「アイヴ・ガッタ・フィーリング」 

ジョンとポールの共作で、

二つの曲がを合わせて歌う対位法が使われています。

はじめの曲がポール、後の曲がジョンの作品です。

個人的に大好きな曲です。

イントロからさわやかで、

簡単に対位法を使用する才能にも驚かされます。

「ワン・アフター・909」 

なんと、1960年には完成していたという曲。

おそらくはジョンが中心の

ポールとの共作ではないかと思われます。

「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」

長く厳しい道を、

ビートルズの歴史になぞらえて作った

ポールの思い入れのある一曲。

もともとは、とてもシンプルな構成であったのに、

プロデューサーのフィル・スペクターが

ストリングスをつけています。

ポールは自分のイメージと全く違うものにされたと抗議しています。

曲は、歌詞も感動的で、

ポールのビートルズへの思いが伝わります。

「フォー・ユー・ブルー」 

ジョージの曲。

スティール・ギターや、

ピアノに細工をしてスタッカートを効かしてみたり、

いろいろ工夫しているおもしろい曲です。

「ゲット・バック」 

ポールの曲。

ヨーコに入れ込むジョンに、

前のようにビートルズへ戻ってきてくれと

歌っているという説もありますが、真相は謎。


1969年1月30日、アップル社の屋上で、

ビートルズは予告なしにライブを行っています。

「ルーフトップ・コンサート」と言われる伝説のライブは、

この映画で使うために行ったものです。

ビートルズがライブをしたのは1966年以来。

街中が混乱し、途中警察に止められてしまいますが、

文字通りビートルズのラストコンサートです。

解散後もこのアルバムのアレンジに

強い不満をもっていたポールは、

リンゴ、ジョージ、オノ・ヨーコの同意を受け、

映画本来の音源に近づけた形のアルバムを計画しました。

それが2003年に発表された「レット・イット・ビー…ネイキッド」

「レット・イット・ビー…ネイキッド」収録曲

  1. Get Back
  2. Dig a Pony
  3.  For You Blue
  4. The Long and Winding Road
  5.  Two of Us
  6. I’ve Got a Feeling
  7. One After 909
  8.  Don’t Let Me Down
  9. I Me Mine
  10. Across the Universe
  11. Let It Be

1970年4月10日、ポール・マッカートニー、

ビートルズからの脱退を発表。

実質的なビートルズ解散の時となりました。